起業1年目を振り返って
2021年4月末に20年間働いたマーケティング会社を早期退職し、コンサルタントとして起業しました。この1年を振り返ってみると「自分は本当にラッキーだった」の一言に尽きます。
開業資金について
早期退職時に約1年分の年収金額を一時退職金として受け取りましたが、そのお金はわずか10ヶ月でなくなりました。社用車の購入や高額なセミナー受講という会社への投資も1/3位はありますが、2/3は生活費に消えました。また、退職後の住民税の支払いも事前に聞いていたのですが、これも大きな支出となりました。
起業する際には、1年間何も収入がなくても暮らせるぐらいの蓄えは必ず用意しておくべきだと実感しました。
収入に関しては、失業保険に助けられました。自己都合退職なので2ヶ月の待機期間はあるものの、私の場合は150日支給されました。それに加えて、支給期間中に緊急事態宣言が発令されていたため、150日を過ぎても追加で60日支給されました。
合計で210日分の失業保険が受け取れたのは、全く収入がなかったのでとても助かりました。
起業前の準備について
起業すると決めてから早期退職まで5年間準備しました。その期間に自己理解を深め、自分が得意とする分野を定めて「何でビジネスを起こすか」をじっくりと考え、起業コンサルタントにもアドバイスをもらって決めたことは良かったです。早期退職をしてから考えていたら、安定した収入が得られるまであと数年はかかっていたのではないかと、今考えると恐ろしく思えます。
それでも、個人として仕事を獲得するということが想定していたよりも難しく、コアビジネスの軌道修正を行いました。コロナ禍ということもあり、時代の変化にも対応しなければならないと言うのが私の中では想定外でした。
人脈こそ、最大の武器
ホームページにもこの言葉は記載しているのですが、このコンサルタントという商売は人脈が全てと言っても過言ではありません。目に見える商品ではないので、ホームページやSNSでセールスを行ってもお客様は買ってくれません。セールスをするとサービスの良さよりも怪しさの方が強くなってしまいます。
特に、私が提供しているようなコンサルティングは「利益に直結するようなサービス」ではないので、中小企業経営者には必要ないものと判断されてしまいます。なので、誰かからの紹介という問い合わせからビジネスになることがほとんどです。
私の場合は、最初の6ヶ月間を人脈作りに充てました。展示会、セミナー、異業種交流会、商工会議所、地域のイベントなどリアルとリモートを使い分けながら人脈を広げました。この人脈形成はすぐに効果が出るものではないですが、6ヶ月が過ぎた頃から少しずつお話を頂けるようになりました。
対応業務の拡大について
今までは大企業の人材育成を担当していたので、従業員の育成と業務効率化は企業として必ず行わなければならないものだと思ってました。しかし、中小企業はそうではなかった。従業員の人材育成や業務効率化が必要なことは理解しているが、それよりも「すぐに利益が出ること」の方が優先順位の高かったということ。業務効率化の説明をしようとすると「話は聞くけど、それをやったらいつからどれだけの利益が出るの?」と聞かれてしまいます。今、このままでも困っていないので業務効率化なんて必要ないと言われます。それよりも「新しいセールス方法や経費削減方法だったらいっくらでも話を聞くよ」と言われました。
そういった経験からまずは「クライアントの困りごと」に対応することが信頼関係構築にも必要だと思い、対応する業務を拡大しました。多種多様な経営者からの相談に対応していくと「人材採用」「人事制度の構築」「就業規則の作成」「業務マニュアルの作成」といった企業の中に入り込んで社員の1人となって制度を作り上げる仕事から「面接スキルの向上セミナー」「DX推進セミナー」といった複数名の前で研修の講師として教育するような仕事もできるようになりました。
2年目に向けて
今年と来年は引き続き自分からセールスをするのではなく、受け身の姿勢でビジネスを広げていきます。自社として仕事を受けるだけでなく、横のつながりから協業と形でもビジネスが広げられればと思います。
これまで知り合った方々とのご縁を忘れることなく、今後も助け合いながらビジネスを広げる。常に感謝の気持ちを持ち、困っている人からのお礼の言葉を励みに楽しく仕事をします。
2022年5月24日
